リソース/フォーマット

※まとまりのない文章ですみません。
先日のTDC DAY のLes Suen氏の話がまだ頭の中でくすぶってる。
多分自分がデザイン的(まだ「的」、が自信を持って取れないのが悲しいところ)なことに関わってて、さらに趣味で駄文を色々と書く人間だからなんだけど。
ていうかあの話を聞く以前から、文章についてのアイディアって結構あって、「文章を逆さにおいてみる」とか「擬音だけで文章めいたものを作ってみる」とか「ニュースの文章引っ張ってきて、文字を一切追加削除しないで全く別の文章に変えてみる」とか、低レベルながらも結構妙なこと個人的に何度かやってるんですよね。それは結局実験だったりちょっとした思い付きだったりしてるんですが、それが先日の話で何かもうちょっとはっきりしたカタチを与えられたというか。

確かに「フォーマットから中身を考える」「フォーマットと中身が相互に影響しあう」「中身がフォーマットに影響を与える」「概念がカタチに影響を与える」「カタチが概念に影響を与える」「デザインが思想に影響を与える」「CIが企業の行動に影響を与える」「環境が行動に影響を与える」とかそういう相互の影響関係って実際にも結構ある。

たとえば音楽理論っていうのは、もともとは「人間が気持ちいいと感じる音の並び」を研究していってまとめられた、「感性をもとにした考え」なんですが、それが「理論」というカタチにまとまっていくことで、「理論を元にリクツで考えて発展させる」ことによって音楽が進化する。でその進化した音楽を聴いて感性のほうも影響を受け、ある種の進化をする、ということが実際に起きている。

本だったら、本に書かれているものは「原稿」ではなく「情報」だと考えれば、たとえばWebや広告の方面で発展した情報の表現の仕方を取り入れたり、「情報デザイン」のアイディアを小説本に持ち込んでみたり、といった応用がいくらでも考えられるんではなかろうか。

そういう「リソース/フォーマット」といったものの関係と相互の影響なんかにもう少し意識的になって取り組んでみたら、色々と面白いアイディア出てきそう。

まあ、仲條正義氏が言ってたように、「制限がある中で作る緊張感」みたいなものも確かに好きではあるんですが。

とりあえず考えた本

  • 一つの段を一人の登場人物、ページの進行を時間の流れに見立てて、多段組で時間軸を全く同じにした二人以上の人間の二つ以上の物語が同時進行。物語が交差する部分では段がくっついて一つに。
  • ページをめくるごとに全く別の物語(の、しかも断片)が書かれている。その一つ一つが何かを明確に表現するわけではないが、全てを読むとぼんやりと何らかの物語、意図が浮かび上がる
  • 2ページ(見開き)ごとに相互に二つの物語が進行する。その二つの物語は本のあるポイントで突然に交差する。
  • 物語の時間の進行に合わせて空白のページが挿入される。(1年飛んだら1年分空白のページ)

相当書くほうの技術とアイディアを要する内容ですが、内容と表示の仕方がマッチしたらものすごい面白いものになりそう。

よく考えると「これどうやって読んだらいいんだ」と思うようなアイディアも結構出てきますが、これぞまさしくLes Suen氏の言うところの「モノと人間の関係はもっと複雑でいい」ってことなのか?

こういうこと考えるのって、凄いワクワクするね。
いつか文章から最終的なカタチまで含めて自分で面倒見て(もしくはクレバーなデザイナと組んであーだこーだ考えながら)何か作ってみたいなぁ。
…まず文章の腕を磨くほうが先決か。